「自分史作りの会」について
「自分史作りの会」は、千葉、東京で自分史に取り組む皆さんのために、自分史の執筆のご指導ご相談を受ける講座として2006年から2019年の間、開講しておりました。自分史作りの楽しみを、より多くの人に知ってもらう目的で共に勉強し、13年間でのべ200人が参加し、多くの方々が自費出版によって自分史を完成してきました。現在、松戸市での講座は休止し、不定期にて千葉市生涯学習センターにおいて講座開催しています。
現在は本講座に代わり、弊社で自費出版を目指す著者さんへの個別のご相談・ご指導を行っています。
自分史を書いてみたいけど、どこから書けばいいのかわからない、書くのは難しそう、そんな心配があるけれども本はぜひ作りたい、という方々のお役に立つことができます。
自分史作りは、これまでの人生を振り返ることで、自分の存在とこれからの人生をより充実させることができる、価値あるライフワークです。ご相談ご希望の方は、047-391-3685(代表・永島)までお電話ください。ご相談は無料です。
著者紹介・岡野忠雄さん
初めて開講したのは松戸市民劇場でした。市報の募集で50代から90代の10人ほどの人が参加しました。皆さん目がキラキラしていたのを憶えています。特に印象深かったのは、91歳の男性、岡野忠雄さんでした。90歳まで自営業の現役だったという岡野さんは、パリッとした背広で髪を素敵に整え、自己紹介では堂々としかし謙虚に自分史作りへの意欲について短くお話されました。その立ち振る舞いのあまりの見事さに、自然と参加者の皆さんから拍手が沸き起こりました。
やる気と情熱にあふれていた岡野さんは、その日から作文に全力で取り組み、誰よりも熱心に受講してなんと半年で一冊分の原稿を書き上げました。スーパー90歳と皆が尊敬したものです。そして東京創作出版で自費出版をし、ブルーの装丁のハードカバーで「無から有を生む力」を300冊上梓しました。この本を岡野さんはご友人、知人、地域の皆さんひとりひとりの家を自ら回り、謹呈したのでした。
それから2年後、岡野さんは今度は自分史ではなく、若い起業家の卵に向けた応援の書を書きたいと構想を立てました。高齢だったので執筆は口述筆記の形をとり、6回にわたる聞き取り取材を経て、白い装丁の小さめのハードカバー「60歳からの企業技術」を出版、地域で好評を博しました。その1年後には、自分が利用していたデイサービスの職員さんの声を聞き、介護のときの語りかけに役立つ易しい歳時記を作りたいと考えました。高齢者に話すきっかけに季節の話題が効果的だと知ったからです。私は要望を受け、「こころ歳時記」という本の企画書を作りましたが、それを見てもらう約束の日に岡野さんは入院、そのまま95歳で亡くなりました。
岡野さんの忘れられない言葉があります。「くやしい目にあったとき、自分を信じてくれる立派な人たちがいることを思い出せばまったく気にならないですわ」大阪弁で微笑んでそう言っていました。この言葉を私も仕事でつらいとき、理不尽なことがあったとき、いつも思い出して勇気をもらっています。